キスチョコ【短編】
ナルが男に言い放った。
そして一瞬だけすごい目で男を睨むと男は「もう新しい男つくりやがって。この尻軽がぁ」などと負け惜しみを言うとすぐさま席に戻り待っていた女の肩を抱き店を後にした。





あたしはぽかんとしていた。



あんな男らしいナルを見たのは初めてだった。
ぽかんとしていたのはリサちゃんも一緒だった。



「ナ、ナルさん…今言ったことって…?」


「いいから。とにかく今は仕事戻りな?ほら、グミ姉さんが呼びにきてるみたいだし」


「あ…あ…」




ナルはあたしに気付いていたのかあたしの方を目で示しながら優しくリサちゃんに言った。



なんでこういう時あたしに話ふるのよ



あたしはそう思いながらも言葉がでないリサちゃんを連れてホールに戻った。
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