あなたとあたしの生きた証
診察を待っている間に、美嘉があたしに話しかけてきた




「これどういう意味?どうして看護婦さんが藍としたしいの?」





美嘉が疑問に思うのも当然のこと、あたしは何も言わずにここに連れてきたのだから、困っている美嘉に対して《あたしね》で話をし始めた

















「生まれつき心臓が弱くてね、小学校の時なんかほとんど学校にいけなかった。入退院を繰り返しながらついていけない勉強も何もかも嫌になった、でもね、そんなときあたしを支えてくれた笹木先生・看護婦さん・親・ちぃ・千隼がずっとあたしのそばにいてくれたの、それで学校にも行くようになって、デモ体育ができずに、馬鹿にされてたんだ、高校生になっても体育・・・運動ができなくて、週に1回ここにきて診察してるの、一日一回飲まなくちゃいけないお薬があるから。怪我したときもここすべてここにあたしの命を預けてるんだ」







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