いざ、幕末へ
「や、やめてください」
「いいからこいよ!」
可愛い女の子が4、5人の男に取り囲まれていた。
あ、生ちょんまげだ。なんて一瞬感動する。
「助けてっ!」
女の子は私に気づき、泣き出しそうな瞳を向けた。
その間男達は彼女の掴んだ腕を離そうとはしない。
私、こういうの嫌いなんだよね。
「ちょっとお兄さん方。
女の人口説くのに脅すのっていらなくなーい?」
まったくだよ。
女は男に力で負けるけどさ、それを武器にするのは許せない。
「あぁ?
…お前、異人か?
兄ちゃん綺麗な顔してんなぁ。
何なら、兄ちゃんが相手するか~?」
「ギャハハ!
お前そんな趣味あんのか~?」
「や、こいつならいけるやろ~。」
なんて下品な笑い声が聞こえる。
日本人ですけど。
まぁお母さんがクウォーターだから、先祖返りで私の髪は生まれつき亜麻色だ。瞳、肌の色素も薄い。
それ加え、剣道着だから男に間違われたみたいだ。
だがこっちにしたら好都合。
「わかったから手を放せ。」
男達は大人しく女の子の腕を放した。
女の子を逃がして男を睨む。
俺を馬鹿にした恨み、覚えてろよ?
「さっきから黙ってりゃあ調子乗ってんじゃねぇぞ?」
するとさっきの男が吠える。
「…はぁ!?
俺様達を馬鹿にしおって…」
「お前殺されてぇか!?
ならお望み通りにしてやるよ!」
なんて下品な笑みを浮かべた。
汚ぇな。近寄んな。
真剣で切りかかってくる男どもを交わし、竹刀で鳩尾を打ち全員を気絶させた。