いざ、幕末へ
「佐倉真琴です。」
私は原田さんにつられて笑った。
「お前強いんだな!
すごかったぜ~」
「あ、ありがとうございます。」
「左之助!
怪しいやつでもいたか?」
いきなり現れた男が原田に話しかけた。
モデルみたいな綺麗な男だった。
「土方さん!」
ひ、土方さん!?
噂の鬼の副長…。
「なんだこいつは。
髪が亜麻色か…。
異人か?」
「いえ、髪は生まれつきで日本人です。
ちょっとは入ってますけど。」
土方さんの形のよいアーモンド型の瞳が鋭くなる。
睨まれてる…。
「でもよぉ、強いんだろ?」
やっぱり。
まさかの疑われてるかんじ?
「真琴って強いんですよ!
さっきの何人かの浪士を竹刀で気絶させたんですよ~」
と、原田さんは自慢げに言う。
あれ…?
これは非常にまずくないですか?
余計にさぁ…
「怪しいじゃねぇかぁぁぁ!
長州のやつじゃあねぇよな!?
ひとまず屯所に連れて行くぞ!」
や っ ぱ り ?
落ちつけ、私…。
私がこの時代につれてこられた理由は、
‘新撰組を助ける為’
………。
=好都合ー!
「行きます!」
「なんか悪ぃな。
でも嬉しそうで何よりだ!」
原田さんが言う。
結果的にいいから許す!
私は遠足気分で歩いた。
「嬉しそうに屯所に行くやつなんて初めてみたぜ…」
土方は呆れて言った。