いざ、幕末へ

「なぁなぁ!
未来では俺達は有名なのか?」

これは藤堂さん。
無邪気な笑顔をこちらに向ける。

「もちろんです。
大まかに言うとこれから起こる大きな事件で一気に名を上げます。

しかし新撰組は悲しい最後を遂げる事でも有名で人気があるんです。」

「え…。」


「詳しく教えろ。」
他の人は驚きのあまり言葉がでないようだ。
命令口調で言う土方だが、その唇は震えていた。

「わかりました。
芹沢の暗殺から始まり、山南さんの脱走による切腹…」

「なんと…」

その場にいた山南さんが呟いた。

「山南さんは大怪我をして刀が握れなくなり、心を患ったそうです。

その後藤堂さんの死亡…」

「俺、死ぬのー!?」

「はい。
伊東甲子太郎は知ってますよね。
後々平助の紹介で彼が参謀になるんです。
それが山南さんは孤独に感じ、切腹に繋がるんですけどね。

そして伊東は新撰組の隊士を引き連れ藤堂さんと共に分離し、後に近藤さんの暗殺を企てます。
それを止めるため、伊東を暗殺します。伊東派ももちろん暗殺しますが、幹部は藤堂さん助ける予定でした。
ですが知らない隊士が誤って藤堂さんを殺してしまうんです。」

「伊東さんが…。」

後に自分は新撰組を裏切る事、自分が未来で連れてくる伊東がまさかそんなやつだという事を知り、ショックを隠しきれない様子だった。

「それから近藤さんとの意思の違いからの永倉さん、原田さんの離隊。」

「「なんだって!?」」

二人は驚いていた。
それもそうだろう。
信じている近藤さんとの仲違いだから。

「あと監察官山崎さんと井上源三郎の死亡に近藤の斬首。」

上からガタッと音が聞こえた。
やはり天井には山崎か。

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