いざ、幕末へ

「山崎も…」

近藤さんが呟いた。
近藤は山崎を信頼し、可愛がっていた。
これまでの事も含め、彼は今にも泣き出しそうだった。

「近藤さんは腹も切らせてもらえないのか…!!」

土方さんはつらそうな顔をし、畳を叩く。

「そして沖田さんの労咳による死亡。」

「僕は労咳になるんですか…!?」

沖田が悲痛の叫びを上げる。
それもそのはず。

彼は池田屋の事件の頃に発病し、どんどんまともに剣を振れなくなるのだから。

「そして最後は土方さんの戦死。」

もうその場にいる人達は何も言わなかった。
否、言えなかったのだ。

「幕府は次第に衰えていきます。
そして崩壊します。
新政府との戦争は剣と新しい技術の戦いなんです。
最終的に圧倒的に新政府が勝利します。
負け戦をわかりながら戦争させられるんです。」

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