いざ、幕末へ

局長・芹沢鴨


流石に1日に連続で男と試合はきついのでは…、と思ったのだが、私は勝った。
だが私は納得いかなかった。

「…一君、本気出してないでしょ。


総司と互角の一くんがこんなにあっさりと負けるのはおかしい。

「…なんでわかった。」

「えっとね、一君左利きでしょ。
一見右利きの人のよくする動きなんだけど、なんか違かったんだよね。」

そう。
ずっと違和感がある試合だったのだ。
一くんをはじめとして、周りにいる人がみな驚いた顔をした。

「…驚いた。
見事だ。」

「ねぇ。
なんで本気出さなかったの?」

「真琴と戦ってみたんだ。
だが総司と一戦した真琴と左で戦うのは卑怯だと思ったんだ。」

一君って本気に律儀だな。
本当。

「よし、今日の稽古は少し早いが終わりにして、遅くなったが真琴くんの歓迎会をしようじゃないか!」

と、近藤さん。

うぉーと叫ぶ隊士達。

今日も新撰組、じゃなかった。
壬生浪士組は元気です。

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