疲れ切った心
悠斗side
「悠斗?」
ボー・・・としていたの琴羽が目の前にいたことに今気付いた。
「さっきから呼んでるのに」
「ごめんごめん」
「帰らないの?」
いつの間にか放課後になっていたらしい。
「帰るか」
荷物をまとめて教室を後にした。
「____でね~、って聞いてる?」
「ちゃんと聞いてるよ。それで?」
「それでね________」
再び話し始めた琴羽。
廊下は静かで琴羽の声が響いていた。その琴羽の声すら頭に入らず、頭の中は珠理のことで頭がいっぱいだった。
ドン
角を曲がった時に誰かとぶつかり、尻餅をついてしまった。
「ぃって・・・・」
「ぃった・・・・」
綺麗に俺たちの声が重なった。
「悠斗!?」
「珠理!?」
琴羽と誰かの声もが重なった。
ビクッ
珠理の名前に体がびくついた。
情けねぇな。珠理の名前を聞くだけで体がびくつくなんて・・・・・
「ごめんなさい」
珠理の声を聞いてやっと前を向いた。
そこにはやっぱり珠理が居て、スカートを叩いていた。