疲れ切った心
「ねぇ、琴羽ちゃん。私とお話しない?」
三条 琴羽。
生まれつき体が悪くてアメリカへと治療に行っていた。
これだけのことなら結構有名。
でも顔は、1年の時に同じクラスだった人か中学が一緒だった人しか知らない。
「えっ・・・・・・」
「あのね、前から琴羽ちゃんと話してみたかったんだ。あ、それとも人違いだったかな?」
「間違ってないけど・・・・・・」
チラッと悠斗君を見ながら答えてきた。
「じゃあ話そう?」
珠理を苦しめてるんだから簡単に逃すわけがない。
「でもこいつ体弱いんだ。明日にしてくれるか?」
立ち上がりながら悠斗君が話に入ってきた。
それぐらい知ってるわよ。
「大丈夫だよ、ちょっとぐらい」
悠斗君に笑顔を向けた。
「じゃあ行こう?」
琴羽ちゃんの手を取ってA組の教室に行こうとした。