疲れ切った心

「でも・・・・・・・」



やっぱり婚約者の体が心配なのか、止めようとする悠斗君。



「大西君、あきらめた方がいいと思うよ?」



さっきまで黙っていた珠理が口を挟んできた。



「えっ?」



意味が呑み込めないのか、悠斗君の頭の上には漫画によく出てくる“?”が浮かんでいる状態。



「結夢ね?昔から言い出したら聞かないの。だから今日は大人しく帰ったら?」



そう、私はよく昔から皆に頑固って言われる。



「でも・・・・・」



そこまで心配するか・・・・・・・



「じゃあ生徒会室に居てよ」


「「はぁ!?」」



綺麗に珠理と悠斗君の声が重なった。



「話が終わったら私は生徒会に行くんだから、靴箱で待ってるよりは安心じゃない?」


「そうだけど・・・・・・・」


「ね?生徒会までは一緒なんだし生徒会で待っててよ」



悩んだ末に出した答え。



本当は珠理と一緒に居て欲しくない。けど、さっきの感情の入った珠理の瞳。



それを思い出し最後に悠斗君に賭けてみようと思った。



「それなら心配ないでしょ?」


「あ、あぁ・・・・・・」



納得したみたいなので琴羽ちゃんを連れて今度こそA組に向かった。
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