疲れ切った心
「・・・・・・・・」
「そんなに心配?」
さっきから入ってきた方をキョロキョロと見る琴羽ちゃん。
「ううん。これでも丈夫になった方だし」
「体じゃなくて珠理と悠斗君のことだよ」
「そんな、ことは・・・・・・・・・」
フフ・・・・・・。図星だね。
「取敢えず自己紹介するね。私は2年A組の竹下結夢よ。よろしく」
「私はD組の「三条琴羽。でしょ?」
琴羽ちゃんの自己紹介を遮った。
「琴羽ちゃんと仲良く出来るなんて嬉しいな。でも、今のあなたじゃ私仲良くなれない」
「じゃあ、何で・・・・?」
「あなたが学校に来るようになってから珠理は戻ってしまった」
そう、変わったんじゃなくて戻った。
「悠斗君」
ビクッ
悠斗君の名前を出しただけで琴羽ちゃんの体がビクついた。
「何でビクつくの?何か悪いことでもしたの?」
「し、てないよ」
「だよね。悪いのは琴羽ちゃんじゃなくて悠斗君だもん」
じわじわと琴羽ちゃんを追い詰める。
「ど、こが?前と変わらなく見えるよ?」
当たり前、相当一緒に居ないと珠理の気持ちは、感情は分からない。
初対面のあんたに分かってたまるもんですか。