疲れ切った心

「9時57分か・・・・」



駅前の噴水に着くと、腕につけてある時計で時間を確認した。



まだ悠斗は来てないみたい。



誘ったのはあっちなのに何で悠斗が遅いわけ!?




「珠理!」



噴水の縁のところに座っていると、前から悠斗が走ってきた。



「待った?」


「かなりね」



こんなところに学校の子がうじゃうじゃいるわけでもないのでちょっと素を出した。



二人きりだったら思いっきり文句言ってたけどね。



「可愛いよ、珠理」



話しずらされたし。



「別にいいよ。そういうの」



適当に選んだんだもん。可愛いわけがない。



「本当なんだけどな」



ったく。彼氏は皆そういうこと言ってるんでしょ?



お世辞でも。



「まぁいいや。どっか行きたいとことかある?」



はぁ!?



「まさかとは思うけど、ノープランとか無いよね・・・・・・?」
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