疲れ切った心
悠斗side



「で?感想は?」


「いまいち。何で男は女を送りたがるのかね」



本当は心配だから。



変な奴に連れてかれないようにちゃんと家まで帰るか心配だから送る。



今回送って分かった。



でも素直に言ったらダサい気がして咄嗟に惚けた。



「さあね。私は女だからね。もっと素直で可愛い子にしたら?」



素直で可愛い子。



それを聞いた瞬間俺は、珠理じゃないと意味が無いと思ってしまった。



「なるほどね・・・」



ここでも、それを口にすることは出来なくて、納得した素振りを見せた。



「じゃあその子とやれば?絶対探せば居るって」



探せば居るか・・・



心のどっかでもう見つけてしまった気がした。



さっきから俺どうした!?



「そうかもな」


「じゃあこういう関係終わりにしよっか」



どうやら珠理はこんなお遊びの関係を早く終わらせたいらしい。



「いや、辞めねえよ」



まだ送るだけしかやってねぇのに別れるわけねぇだろ?



「もうここでいいよ」


「珠理の親に紹介とか「しないわよ」



冗談で言っただけなのに言葉を遮られた。



「ちぇー。一度やってみたかったのに」
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