疲れ切った心
第4章
やっぱりそうなんじゃん
「明日は休みです。お疲れ様でした」
資料を揃えて立ち上がり、いつも使っている机に移動した。
そして、いつものように今日の議題について纏める。
「なぁ、珠理」
他の生徒が居なくなると、悠斗が話しかけてきた。
「何?悠斗」
結愛と山本君だけならともかく、三条さんが居るので、手を止めて悠斗に笑いかけた。
「明日休みなんだろ?放課後デートしよ」
放課後デート?
それなら答えは決まってる。
「明日は勉強する予定なんだ。ほら、私会長だからこういうときに勉強しとかないと他にする時間が無くて」
ま、嘘だけど。
勉強なんて授業中に効率よくすれば問題なんてない。
「珠理はたまには息抜きしないと倒れるぞ」
「心配してくれてありがとう」
笑顔を作ると、またペンを走らせた。
「じゃーな」
「ばいばーい」
結愛と山本君、三条さんと別れると、猫を外した。
「あ~。今日も疲れた」
「だから明日息抜きしに行こって言ってるだろ」
「だってめんどくさいじゃん?」
そう。私が断った最大の理由はこれ。
「あのな、仮にも彼氏に誘われてその断り方はどうかと思うぞ」
「なによ。私が下手に出てたら調子に乗るくせに」
「別にいいだろ。たまには珠理に優しく接して貰いてぇもん」
しょっちゅうするくせに。
「な?放課後は琴羽に気をかけてやらなくてもいいんだし、ゆっくり出来る時間なんてねぇじゃん」
「も~!分かった!分かったから、しつこい!」
「絶対な。約束」
「私は約束は破らない」