疲れ切った心
「できたぞ」
「ちょっと待って」
出来あがったプリントを受け取らずディスクの引き出しを探った。
「有った、有った。はい」
「何だよ、これ」
「ホッチキスだけど?下の方にページ数書いてあるから順番通り端を止めてって」
「何で俺が」
「人手が足りないの」
「はいはい、お姫様」
誰がお姫様だ!!
「ちなみに左上ね」
「分かってるつーの」
悠斗はホッチキスを持ってさっきいた場所とは違う広い場所へと移動した。
「出来た~」
「御苦労さま」
「他の奴は?」
「帰したよ」
帰って行った人たちにも気が付かなかったほど集中してたんだ。
嫌々やってるように見えたのに。
「珈琲淹れようか?」
「頼む」
手伝ってくれたお礼に珈琲を淹れてあげた。
「明日もくるの?」
「そのつもり」
明日も来るんだ。
この時期に来るのは不思議と嫌じゃない。
生徒会も何かと忙しいからね。
「よし、帰るぞ」
珈琲を飲み終わった悠斗が急に立ち上がった。
「そうだね」
生徒会室を出て鍵を掛けた。