疲れ切った心
悠斗side



「ほら。背中に乗れ」


「ありがとう」



琴羽を背中に乗せると、珠理の方を見た。



「珠理_____?」



さっきまで居たはずの珠理の姿がなかった。



「ねぇ、珠理知らない?」



近くに居た女に尋ねた。



「会長?知らないよ」


「私見た。走って帰ってったよ?」



帰った?



何で?



「あ、ありがとう」



琴羽を背負って昇降口を出た。



琴羽を送ったらデートしようと思ってた。



言い出したのは俺なんだから。



なのに何で勝手に帰った?
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