疲れ切った心
珠理side




~~~♪~~♪



悠斗からの電話だと分かると、携帯を地面に置いた。



暫く鳴り続けて居たが、ピタッと止まった。



「今更何の用なのよ」



『約束な』



そう言ったのは悠斗なのに、約束を破ったのは悠斗だった。



『珠理、今週の日曜日、家族でお出掛けするか』


『うん!』


『珠理はどこに行きたい?』


『ん~とね、遊園地!』


『よし、皆で遊園地に行くか』


『やったぁ~!』



幼稚園の頃の記憶が脳裏に蘇った。



『珠理、ごめんな。お父さん、急な仕事で遊園地に行けなくなっちゃった 』


『ううん。お父さん、お仕事大変だもんね』



この時から我慢を覚えていた。



結局、何度約束しても遊園地に行けることは無かった。



『珠理は偉いな』

『珠理は我慢出来る子だものね』



皆そう。



だから私は、私では居られなくなってしまう。



それを分かっている結愛は、約束は絶対に破ったりはしない。



結愛………。



私、これからの人生で、信じられるのが結愛だけだったらどうしよう。



自分の発想に、笑えてきた。




そんなの、結愛を困らせるだけだよね。
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