疲れ切った心
季節は夏が過ぎ、初秋。
まだ暑いだけあって、6時になっても夕陽は出てこない。
そりゃそっか。
あと30分位かな。
あ、でもオレンジは見えてきてるから後ちょっとなのかな?
ポーン__
街中に響き渡る6時の音。
懐かしいな。
この音が鳴ると、いつも結夢と別れて帰ってたな。
「6時だし、もう帰ろう」
鞄を肩に掛け、立ち上がった。
「6時丁度はアウトか?」
え____
振り返ると、息を切らした悠斗が立っていた。
「何で・・・・?」
「だってあの時、綺麗に夕陽が出てたもんな」
そう。
あの時、球技大会の後ココに来た時は綺麗に夕陽が出てた。
「何で先に帰った・・・・?」
「どうして悠斗は私を探してくれたの?」
「質問したのは俺なんだけど」
私は、悠斗の目から反らさないで居た。