疲れ切った心



「アメリカで完全回復したから帰国したんでしょ?」




「そうよ。でも、家の目の前に住んでた悠斗の家は、壊されていた。
悠斗の両親が県外に居て、悠斗はこの町に居るって聞いて嬉しかった。
なのに、彼女ができたって聞いた時胸が苦しかったの!!」




琴羽の目には涙が浮かんでいた。




「彼女と別れさせるために“婚約者”とまで嘘ついたのに別れないんだもん。だからまだ身体が弱ければ悠斗は彼女より私の傍にいてくれると思ったから、ずっと芝居してたのに______________」





パシン_______________





琴羽の言葉を遮るように珠理が琴羽の頬を叩いた。





「何すんのよ!」





「ばっかじゃないの!?そんなことで芝居して!!素直の気持ち言えばいいじゃない。恋なんて、言えばどうにでもなるじゃない。一生一緒にいれる保証なんてないんだから」




ズキン______________





一生一緒にいる保証がない・・・・・・・・




琴羽に言ってるはずなのに俺に言われてる気がした。

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