疲れ切った心
第5章
バレンタイン
「今年は誰にチョコ作るの?」
2月9日。
登校中に結夢と偶然会い、一緒に登校していた。
「誰って・・・・。生徒会メンバー?」
「悠斗君は?あげないの?」
悠斗に?
「あげないよ。他の子から貰うでしょ」
「そうかもしれないけどさ~」
不満たらたらの結夢。
あげるとしてもあげるのは私なんですけど。
「でもバレンタインは記念日でしょ?」
そう。バレンタインデーでちょうど4カ月になる。
「悠斗はそんなこと気にしてないでしょ」
付き合い始めて4カ月記念日、とか。
「それはないでしょ。あんなに珠理のこと溺愛してるんだから」
「それとこれとは別でしょ」
それに、溺愛されてるのは結夢でしょ。
「1カ月目はくれたけど、その後毎月毎月してたらキリがないでしょ」
悠斗がくれたのは星のネックレス。
毎日着けている。
結夢におちょくられるのは恥ずかしいけど、いつも一緒にいる気分になれる。