疲れ切った心
「珠理モテモテだね」
そう言いながら落ちたチョコを拾ってくれる。
「そんなんじゃないから」
続いて私もしゃがみ、チョコを拾う。
「男の子からもあるじゃん」
結夢が持っているチョコを受け取った。
本当だ。
てか、こんなに持てないし。
何とか上履きに履き替え、結夢と職員室に向かった。
自分では開けられないため、結夢に開けてもらった。
「先生、ダンボール貰えたら嬉しいんですけど・・・・」
「あらあら。モテモテは辛いものね。ちょっと待ってて」
出入り口から近い先生に言うと、手にいっぱいのチョコを見てなにかを悟ってくれた。
「お待たせ」
しばらく待っていると、大きめのダンボールを持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
笑顔を張り付け、結夢にダンボールを持ってもらった。
「凄いね。このチョコ、あの有名なショコラティエが作ってるよ」
廊下でダンボールにチョコを詰めていると、穴が開くんじゃないかと思うぐらい見つめている。
「後で一口あげるよ」
流石に一人でこの量は無理だしね。