疲れ切った心




「じゃあもう行くね。バイバ~イ」



腕を絡ませたまま出て行った怜奈達。



夏蓮、すっごく見てますけど?



霜月君は気付いてないみたいだけど。



「じゃあ僕達も行こうか」


「う、うん・・・・」



曖昧な返事をし、2人で手を繋いで出て行った。



「4角関係って大変ですよね~」



ドアの方を眺めている茉美ちゃん。



「あれは2つに別れてるんだよ?」


「どうしてそう思うんですか?」


「本人達が何も言わないから」


「そりゃあ浮気してたら言いませんよ」


「違うよ」



違う・・・。



「口では誰も言わないよ。顔に書いてあるの」



夏蓮の顔には、“助けて”と書いてあった。



でも、自分で言わなきゃ誰も助けてくれないよ?



自分からSOSを出さなきゃ誰も助けてくれない。



私、いつでも待ってるよ。



言ってくれれば一緒に考えてあげる。
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