疲れ切った心



「お疲れ様でした~」


「お疲れ様」



皆が帰って行く中、私達2人だけが残った。



「珠理、帰らねぇのか?」


「待ってよ。取り合えず手作りを先に食べちゃわないといけないんだから」



箱の中から手作りのものを探し、紙袋の中に入れて行く。



仕事をしながら何個か食べたから1袋に何とか納めた。



中に入ってる量はそんなに多くないから頑張ればなんとか明日までに食べ終われるはず。



仕事中に食べていた分の記録を鞄に入れ、立ち上がった。



「本当にこれだけ返すのかよ」


「返すよ。ま、有りがたいことに3分の1は差出人不明なんだけどね」


「あっそ。それより俺には?」


「何が~?」



生徒会室を出て鍵を閉める。



「チョコ」


「2箱もあるでしょ。さっさと食べちゃいなさいよ」



生徒会に置かれるなんて迷惑だわ。



「大丈夫。貰い手は決まってるから」



貰い手って・・・・・。



「ちゃんと食べてあげなさいよ」


「ちゃんと食うって。珠理の分は」


「私からは無いわよ」


「ウソだろ?」


「本当よ。夏蓮と怜奈にあげたのが最後よ」



私、16個しか持ってきてないもん。



「マジかよ・・・。俺、女に負けたわけ?」



負けたって・・・・。
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