疲れ切った心



「バレンタインは勝負じゃないでしょ。気持ちを伝えるのに手助けするのがチョコ。でしょ?」


「そうだな・・・・」



悠斗も分かってくれたみたいでよかった。



「珠理の言う通りかもしれない。でも、そんな言い訳に丸めこまれないぞ」



ばれたか・・・・。



「どうしてそこまでチョコにこだわるの?」



たかがチョコじゃない。



「もういいさ・・・・」



急に落ち込んでしまった。



悪いことしたかな・・・・・。



「今から、あの丘に行く・・・・?」


「もう暗いから危ねぇよ」



冬だもんね。



「今日、金曜日だよね・・・・・?」


「そうだけど?」



なら大丈夫かな。



「今日、悠斗ん家泊っていい?」


「いいけど・・・・、親はどうすんだ?」


「なんか言い訳考えるよ」



お母さんに電話を掛けた。



テストの再試をする子に勉強を教えると言って許可を貰った。
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