疲れ切った心
「も~食えない」
「悠斗食べすぎだって」
「やっぱシメはうどんだよな」
「はいはい」
床で転がっている悠斗を放置してお皿を片し始めた。
「悠斗、机拭いて」
「はいは~い」
ゆっくり起き上がり、布巾を取りに来た。
「悠斗ん家にも土手鍋ってあったんだね」
「バカにしてんのか」
「してないよ。男1人暮らしなのに鍋まで揃ってるのは意外だったの」
普通は無いでしょ?
「お袋が小さいからってくれたんだよ」
なるほどね~。
「ほら」
拭き終わった布巾を持って戻って来た。
布巾を置くと、後ろから抱きしめてきた。
「どうした?お母様が恋しくなったの?」
冗談で軽く笑うと腕の力が強まった。
「そんなに強くしたら洗い難いじゃん」
「もういいって」
「もういいわけないでしょ」
もう少しで終わるのに。