疲れ切った心



「悠斗・・・・・」



昨日言われたことを何度も悠斗に伝えようとしたが、結局言えず何度も挫折した。



2人きりになれば言うしかなくなると思い、屋上に呼び出した。



「どうした?」


「あ、のね・・・?」



言わなくちゃ。



だって来月の5日に顔合わせだよ?



3週間もない。



「・・・・・結婚する」


「誰が?」


「私・・・・」


「えっと・・・・・。俺、プロポーズしてねぇよな」


「うん、してないよ」



まだ誰にもプロポーズされたことない。



「じゃあ、誰と・・・・・?」


「お父さんの、会社の社長・・・・・の息子」



悠斗に合せる顔が無くて、俯いた。



「ウソ、だろう・・・?」


「ごめん・・・。ごめん・・・・」


「ウソって言ってくれよ」


「ごめん」


「断るよな?」



私だって、普通の家庭に生まれてきてたら断ってた。



だけど・・・・

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