疲れ切った心
この3週間、毎日悠斗と一緒に居た。
休日も、映画を見に行ったりショッピングしたり水族館に行ってデートをした。
明日はとうとう顔合わせ。
だから悠斗とは今日さよならしなくちゃならない。
「珠理、今日も出かけるのか」
「うん。今日は遅くなるかも」
「そうか。明日のことは忘れていないな」
「忘れてないよ」
忘れられたらそれだけ幸せか。
サンダルを履き終わり、立ち上がった。
「いってきます」
振り替えずに家を出た。
今日悠斗とさよならしなくちゃいけいと思うと
明日婚約者と顔合わせだと思うと
勝手に私の婚約者を決めてきたと思うと
無意識のうちに睨んでしまいそうだったから。