疲れ切った心
「伊織様、珠理様、着きました」
運転手のおじさんがドアを開けてくれて車から降りた。
『珠理さんの学校から近い所に家を建てさせたからね』
本当、残酷だ。
ココ、学校よりも悠斗のアパートの方が近い。
「珠理様、月曜日からの学校への送迎どうなさいますか」
「私は歩いて行くので気にしないで下さい」
「畏まりました」
私達が中に入ってもおじさんは帰ろうとしなかった。
「珠理、部屋の確認に行くぞ」
「はい」
伊織に着いて2階まで上がった。
1つ1つ見て行くと、家具は全部揃っていた。
私と伊織のプライベート様の部屋は別々だが、ベッドルームは一緒だった。
ベッドルームに入ると伊織がこちらを向いた。
「俺、本命居るから」
直球だな~。
「ヤダ!私を見てよ!」
そう言って抱きついた。
「時間掛っていいから私を好きになって」
閏目で伊織を見上げた。