疲れ切った心
「ごめん、それは「って言うと思った?」
ケロッとした顔で離れた。
「やっぱり正体隠してたか」
「気付いてたのか」
「当たり前でしょ。挨拶した時のあの笑顔。作り笑いでしょ?」
直ぐに気付いた。
「そんな前からばれてたとはな」
ドサッとベッドに座った。
「私を騙すことなんて出来ないわよ」
腕を組み、伊織を見下ろした。
「へぇ~・・・・。ま、そういうことだから」
「勝手にすれば。あなたの恋愛に私は関係ない」
「関係なくはないだろ」
「関係ないわよ。私は私で好きな人居るから」
「彼氏か?」
「昨日まではね」
昨日別れることはお互い暗黙の了解だった。
「付き合えばいいのに。ばれない程度に」
「私はそんな中途半端なことはしない」
出来ないのよ。
私は完璧に伊織を愛している演技をしなくてはならない。
その為には徹底的にする。
親絡みの時は特にね・・・・。