疲れ切った心
「珠理、おはよう」
教室に行くと、結夢が先に来ていた。
「おはよう」
「昨日どうだった?」
婚約者が出来たことは結夢には言ってあった。
「中々良い人だったよ」
「そっか」
教室を見渡すと、悠斗はまだ来ていなかった。
悠斗が来たら、私普通で居られるのかな。
動揺してしまいそうな気がする。
そんなこと考えていたら、朝のSHRが始まった。
放課後になるまでが長かった。
ずっと悠斗が来たらどうしようと考えていたから。
だが悠斗は、教室に姿を見せなかった。
山本君はきっとサボりだろうと言うのだけど、その原因には私にある気がした。
生徒会はゴールデンウィーク前に引き継いだので、私はあの家に帰った。