疲れ切った心
この家に住み始めて2ヶ月が経った。
お互い初日に本音を言い合ったため、沈黙が続かず楽しく過ごしていた。
まるで、お兄ちゃんができたみたいだった。
「珠理」
帰ってくるなり、ソファに押しつけられた。
「どうしたの、伊織・・・・・」
伊織の顔が尋常にもなく怖かった。
「親父に勘付かれる前に子供を作る」
え・・・・・
「何言ってるの?私まだ学生だよ?」
「ごめん。でも、計算しても卒業は出来るから」
計算って・・・・・。
「卒業してからじゃダメなの?」
「ごめん・・・・」
本当に申し訳ないと思っているのが分かった。
「彼女は?」
「ちゃんと納得してもらった」
「・・・・・もう、いいよ」
いつかはこうなると思っていたのだ。
「ごめん、珠理」