疲れ切った心
「晩御飯作ってしまった日でも責め無かったよな」
何で知ってるの・・・・・?
「彼女の所で飯食って帰って来た時あったろ?その時、珠理は寝てたけど見ちゃったんだよ。ごみ箱」
あ・・・・・
「それからは、連絡は早めにしようと心がけてる」
違う・・・・・
「珠理は顔色一つ変えず接してくれる」
「違う!」
違う・・・・・
「違わない。珠理の優しさだろ?」
「私に優しさなんてない・・・・」
「優しいよ。珠理は」
「私は、自分勝手なんだよ・・・・」
そう、自分勝手。
そして、私は悠斗のことを初めて伊織に話した。
「ごめんな、珠理。親父のせいで別れる羽目になって」
伊織が謝るから
「泣けよ」
伊織が優しくするから
「泣いていいんだ」
私は伊織に縋る様に泣いた。
悠斗と別れたあの日、私は死んだように眠りに就いた。
声を出して泣くのはこれが始めてかもしれない。