疲れ切った心
「んっ・・・・」
ゆっくり目を開けると、伊織の寝顔があった。
私を安心させるかのように、抱きしめて居てくれた。
「ありがとう・・・・・」
そっと呟くと、伊織が目を覚ました。
「ごめん、起こした?」
「うんん。今何時?」
「9時だよ」
「起きるか」
お互いベッドから起き、パジャマから部屋着に着替えた。
「頬大丈夫?」
味噌汁を作りながら、先程降りてきた伊織に問いかける。
「もう大丈夫」
「そっか、よかったね」
「珠理」
「何~?」
「もし、婚約破棄になったら彼氏の所に戻るのか?」
私が、悠斗の所に?
「・・・・戻らない。例え破棄になっても彼には言わないよ」
もう、私のことなんて何とも思っていないだろうし。
「そっか・・・・」
「私のことは気にしないでお義父さんと戦っておいで」
私は大丈夫と付け加えた。