疲れ切った心
それから、伊織はお義父さんと話合って1ヶ月が過ぎた。
夏休みも終わり、私達学生は進路と格闘する季節となっていた。
「珠理!」
今日は、やたらテンション高く帰って来た。
「彼女のこと認めてもらえた!」
ウソ・・・・・
「よかったじゃん!気長に戦ったもんね」
「あぁ、珠理のお陰。サンキュ」
「私は何もしてないよ」
伊織が頑張った。
ただそれだけ。
「じゃあ婚約は破棄だね」
「ごめん、珠理」
「なんで謝るの?喜ぶことじゃん」
「ありがとう」
伊織の顔は、心の底から嬉しそうだった。