疲れ切った心
あれから3日後、私は実家に戻ることになり、彼女が入れ替わりにココにやってくる。
「珠理、本当に送って行かなくていいのか?」
「いいよ。荷物は送ったし、私の分が出てきたら処分してくれて構わないから」
ピーンポーン
その時、タイミング良くチャイムが鳴った。
「ほら、彼女さんかもよ?出てきなよ」
「あ、あぁ・・・」
遠慮がちに出て行く伊織。
伊織が玄関に行ってる間、私は部屋をグルリと見渡した。
恋愛関係にはならなかったけど、伊織と一緒に居れて楽しかったな。
「珠理」
「こんにちは」
伊織と一緒に、黒髪のロングヘアーの女性が入って来た。
「こんにちは」
「あの、色々とご迷惑をおかけしました」
深々と頭を下げられてしまった。
「私は何もしてませんよ。頑張ったのは伊織ですから」
頭を上げて下さいと付け加える。
「こんなに美人で優しい人、伊織には勿体無いよ」
「煩い」
3人で笑い合った。