疲れ切った心
『珠理、卒業したら結婚だって~』
もう俺には関係ないことだし・・・・。
珠理が何時結婚しようが、俺にはどうすることも出来ない。
「おはようございます」
スタッフ入口から挨拶をしながら中に入る。
「悠斗、どうした。今日は何時もより増して元気がないぞ」
「オーナー」
俺のバイト先は海の親戚が経営をしているバー。
珠理と別れてから、オーナーにバイトで雇ってもらえないか相談したら、快く受け入れてくれた。
「仕事には影響させませんよ」
「・・・・今日は臨時休業な」
え?
「臨時休業。お知らせの札出してこい」
「はい」
「出したら戻ってこいよ」
オーナーの思考に不思議に思いながら、お知らせの札を出しに行った。
「これでよし」
「あれ?今日は休みなんですが?」
偶々通りかかったであろうと思われる常連客に声を掛けられた。
「はい。オーナーの都合で今日は臨時休業にさせて頂きます」
「あら、残念ね。今日友達と来ようと思っていたのに」
「すみません」
「まぁいいわ。悠斗君に会えたからチャラにしてあげる。また来るわね」
手をヒラヒラと振って帰って行くお客さん。