疲れ切った心
「悠斗、遅いと思ったら逆ナンか?」
「オーナー」
ドアの所でニヤニヤとしているオーナー。
「違いますよ。常連客の接客ですよ」
というか、そもそもオーナーが臨時休業になんかするから。
「ふ~ん・・・・。まぁ、中に入れよ」
オーナーに続いて中に入った。
「で?何があった?」
カウンターに寄りかかりながら、煙草を吸い始めた。
「・・・・珠理が、卒業したら結婚するらしいんです」
「へぇ~、それで落ち込んでるのか」
う゛・・・・・。
「だったら取り戻せばいいだろ」
取り戻す・・・・・
「無理ですよ」
俺は、近くの机に浅く腰を掛けた。
「俺達はまだ高校生で、まだ子供ですから」
「生意気」
フ~と白い煙を吐き出した。
「現実見過ぎ。ちょっとは無理してもいいんじゃないか?まだ高校生なんだ。高校生までしか出来ないことだってある」
高校生までしか出来ないこと・・・・・・。