疲れ切った心
「河野さん」
珠理が生徒会長から引退してから会長とは呼ばれなくなった。
「担任が呼んでたよ~」
「ありがとう」
クラスの女子に笑顔を向けると、教室から出て行った。
「悠斗!これからどっか行かね?」
最初は同じクラスで嬉しかったが、今となっては辛い。
珠理の名が呼ばれる度に反応してしまう。
「悠斗~」
目があっただけでドキッとしてしまう。
「悠斗!」
「海」
「さっきからずっと呼んでんのに無視かよ」
あぁ~・・・・
全然気付かなかった。
「考え事してたんだよ」
「また珠理ちゃんのこと考えてたんだろ」
コイツも、本人に言われたらしく会長から珠理ちゃんに変わった。
「で?何か用」
「だから、どっか行こうって言ってんの」
どっかねぇ~
「遠慮しとくよ」
「今日バイトは?」
「休みだけど」
「はい、決定」
は?
「お~い、夏休み入る前にクラスで親睦会しよ~ぜ」
親睦会って・・・・
もう明日で夏休みなんですけど