疲れ切った心
「でね?海ったら____」
「そんなことしてねぇよ」
海と竹下の会話を適当に相槌を付きながら歩いていると、さりげなく反対側の車線を見た。
「_____」
2人で楽しそうに会話をし、頭を撫でられて照れる女。
そんな顔を愛しそうに眺める男。
「悠斗?どうした」
もはや、海の声など聞こえない。
「あ、珠理____」
なんだ
ちゃんと笑えてんじゃん。
もう俺が居なくてもアイツは大丈夫なんじゃん。
「ゆ、悠斗君、早く行こう?」
竹下に腕を引っ張られ、その場から離れた。
ちゃんと笑ってた。
作り笑顔ではなく、心から笑ってた。
あの男も優しそうだった。
上手くいってんじゃん。
周りの人は応援してくれるが
本当に、取り戻すことなんて出来なくなった。
あんなに上手くいってんのに邪魔する権利なんて俺にはない