疲れ切った心



「悠斗、なんか食おう?」



海が一生懸命悠斗君を説得して居るのが、煩い昼休みでも聞こえる。



「いい・・・・・」


「一口だけ。後は俺が食うから」


「ごめん、海」



今日も悠斗君は海からパンを受け取らなかった。



「せめて、これは飲んでくれるか?」


「あぁ・・・・」



そして野菜ジュースを受け取って口にした。



夏休み明けてからこんな感じ。



「珠理?どうしたの?」



こっちもこっちで箸が進んでいない。



「ごめん。ちょっとトイレ」



そう言ってお弁当を置いて行ってしまった。



もう見てられないよ・・・・。



珠理も夏休み明けから徐々に食欲が減ってきている。



夏休みが明けてから2ヶ月。



2人共全然食べてない。



このままじゃ倒れちゃうよ・・・・。



居ても経っても居られなく、悠斗君の前に立った。
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