疲れ切った心
「何で婚約破棄したこと言わなかった」
「それは・・・・・」
一歩後ろに下がると、悠斗も一歩詰めよって来た。
それの繰り返しで、壁に背中が当たってしまった。
「それは?」
「それ、は・・・・」
言えない。
悠斗は何も知らないで居てほしい。
「俺を幸せに出来ないからか?」
な、んで・・・・
「俺を傷つけてるからか?」
どうして知ってるの?
「言えよ!」
逃がさないと言わんばかりに、壁に両手を突いた。
どうしようと視線を泳がせていると、肩に悠斗の頭が乗った。
「頼むから・・・・・。教えてくれよ・・・・・」
こんなに弱ってる悠斗、初めて見た。
何時も意地悪で
余裕がいっぱいあって
堂々としているのに。
「ごめんね、悠斗」
いいのか迷ったが、悠斗の背中に腕を回した。
私がココまで悠斗を追いつめてしまった。