疲れ切った心



「ごめんなさい」



「はは・・・・」



泣きたいはずなのに、笑いしか出てこなかった。



「珠理?」



何事かと私の顔を見るお父さん。



「許してもらえると思ったの?」


「え・・・・」


「だから話したの?」


「それ、は・・・・・」



お母さんの目が泳いでいる。



図星なんだ・・・・



「ふざけないでよ!」



勢いよく立ちあがった。



「何か勘違いしてない?今までの私は偽り。私が物分かりいい子だと思ったら大間違いなんだから!」



2人共信じられないと私のことを見上げてくる。



「お父さんとお母さんに喧嘩してほしくなくて、2人に言われたこと、それ以上に良い子にしてた。

なのに私はお父さんの子じゃないって・・・・。

ふざけないでよ!私だって他の子みたいに家族で出かけたかった。水族館に行ったり、遊園地に行ったりしたかった!

それでも口に出さなかったのは2人が喧嘩するからだよ?だから言えなかったの!」



「珠理、ごめんなさい」


「すまなかった、珠理」



「今更謝られたって遅い」



もう遅すぎる。



あの頃の時間が戻ってくるわけじゃない。



「最低」



私は生きてきて17年間、初めて親を軽蔑した目で見た。



スクール鞄を片手に、家を飛び出した。



喧嘩してても、お人形だったとしても、私は親に感謝はしてた。



私を産んでくれてありがとう、って
< 448 / 572 >

この作品をシェア

pagetop