疲れ切った心
「いた・・・・」
珠理のことだから俺と一緒に行った場所で自殺すると思えなかった。
在り来りだけど、近くの海に来てみたら、下半身が海に浸かっていた。
「珠理!」
パシャパシャと音を立てて海の中へ入った。
「珠理!」
深くなる度に進みにくくなっていく。
「珠理!」
何度呼びかけても中々止まらない。
というよりも、聞こえていないのだろうか。
珠理の胸の所まで来た所で、やっと珠理の腕を掴まえた。
「珠理、何してんだよ!」
掴まれた腕を必死に取り払おうとしている。
「イヤ・・・・・離して」
離さないように力を込めた。
「珠理!!」
俺が叫ぶと、ハッとしたように俺の顔を見た。
「悠、斗・・・・?」
よかった・・・・。
「帰るぞ」
腕を引っ張って海から出ようとした。