疲れ切った心


「こっち来て」



言われた通り近くに寄った。



心のどこかに罪悪感があったから。



「きゃ」



身体を反転させられ、後ろから抱きつかれた。



「ちょ、離してよ」



腕だけが自由に動けるので力一杯悠斗の腕を押した。



「無駄だって」



確かに男の人の力には勝てなかった。



「珠理暖かいな」



急に何を言いだすのよ。



「いい匂いもするし落ちつく」


「何が目的?」



抵抗するのをやめ目的を聞いた。



「ん~・・・。別に?ただ珠理に触りたくなっただけ」


「変態・・・」



何でドキドキなんかすんのよ。



「ほら、スーツに着替えなきゃいけないんでしょ?」



とにかくこの話をやめたくて話を反らした。



「珠理が選んで」



はあ!?



「今何て言った?」



私の聞き間違えかと思いもう一回聞いた。



「だから、珠理が選んで」


「何を?」


「スーツに決まってんじゃん」



やっぱり私の聞き間違いじゃなかった。



「本当に悪いと思ってるなら選ぶことぐらい出来るよね」



うっ・・・・・

< 46 / 572 >

この作品をシェア

pagetop