疲れ切った心
「イヤ!離して!!」
必死に俺の手を離そうと色々と試している。
「珠理!」
珠理に向かって怒鳴ると、動きが止まった。
「頼むから、死ぬなんて言うな」
「でも、私には生きる意味がない」
「意味ならあるだろ。俺の為に生きてくれよ」
うん、って言ってくれれば俺が珠理の面倒をみるから。
養っていくから。
だから、死ぬなんて言うな。
「悠斗の為に生きてていいの・・・・?」
「勿論。俺の為に生きてくれ」
「ありがとう・・・・・」
泣きじゃくる珠理の腕を引いて海から上がった。
タクシーを捕まえてアパートに戻った。