疲れ切った心



「イヤ!離して!!」



必死に俺の手を離そうと色々と試している。



「珠理!」



珠理に向かって怒鳴ると、動きが止まった。



「頼むから、死ぬなんて言うな」


「でも、私には生きる意味がない」


「意味ならあるだろ。俺の為に生きてくれよ」



うん、って言ってくれれば俺が珠理の面倒をみるから。



養っていくから。



だから、死ぬなんて言うな。



「悠斗の為に生きてていいの・・・・?」



「勿論。俺の為に生きてくれ」



「ありがとう・・・・・」



泣きじゃくる珠理の腕を引いて海から上がった。



タクシーを捕まえてアパートに戻った。


< 460 / 572 >

この作品をシェア

pagetop