疲れ切った心
珠理side





ザザー



引いたり、押したり



綺麗な音を奏でる海。



そんな海に引き寄せられるように一歩、また一歩と踏み出していく。



冷たい。



そんな海を進んでいくと、冷たささえも感じない。



私は、要らない子・・・・



思い返して見れば、私が両親に愛された記憶なんてない



「私は、要らない子・・・・」



何かの催眠に掛ったように海を進んでいく。



だから



「珠理!」



一生懸命私を呼ぶ悠斗の声が聞こえなかったのかもしれない。






「珠理、何してんだよ!」


「イヤ・・・・・離して」


「珠理!!」



ハッ____



「悠、斗・・・・?」



どうしてココに居るの?



私、何も言ってない・・・・


「帰るぞ」
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