疲れ切った心



白のニットワンピに茶色のニーハイブーツ。



寒いだろうと言って黒のコートも買ってくれた。



「じゃあ行くか」



手を握ってアパートを出た。



恋人らしく指を絡めて。



「何処行きたい?」


「何処でもいいよ。悠斗と一緒に居られたらそれでいい」



悠斗の腕に寄り添いながら歩いた。



「ったく、これは反則だろ」


「ん?何か言った?」



そっぽを向いて呟かれたので聞き取れなかった。



「なんでもねぇよ」



ポンポンと空いている方の手で頭を撫でられた。



「水族館行くか?久しぶりに」


「うん!」


「イルカ気に入ってたもんな」


「だって、イルカ可愛いじゃん」



瞳が赤ちゃんみたいでキラキラしてるし?



それに癒されるんだもん。



「はいはい。可愛いですね」


「もぉ~・・・・」



悠斗はイルカに興味なさすぎ。
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