疲れ切った心
結夢side






悠斗君を引っ張って2階まで連れてきた。



「で?どういうつもりだ?」


「何が?」


「海、演技だろ」


「あちゃ~、ばれてたか」



テヘッと舌を軽く出した。



海とは昔からの付き合いだったもんね。



あれぐらい気付くか。



「珠理、1週間の間に何があったの?」



終業式の時と今では悠斗君への接し方が違う。



ココから下を見ると、ちょうど2人が見えた。



焦った顔をしている海。



珠理にばれたな。



「アイツ、父親とは血が繋がっていなかった」



え・・・・・



「ウソ、でしょ・・・・?」



自分の聞き間違い、そう思いながら悠斗君を見た。



「本人が言ってた」



ちょっと待ってよ。



あんなに珠理は両親の為に頑張ってたのに、騙されてたの・・・・?



「真実を知らされた時は、笑いしか出てこなかったらしい」



その時は珠理は、どんな思いで笑ったの?



悲しいこと知らされたのに、笑ってただなんて・・・・・
< 471 / 572 >

この作品をシェア

pagetop