疲れ切った心
「珠理ちゃん、久しぶりね~」
「大きくなったな」
「おじさん、おばさん、お久しぶりです」
椅子に腰をかけて待っていてくれた2人に軽くお辞儀をした。
「最近は家に来てくれないんですもの、おばさん寂しかったわ」
「も~、ママ。珠理も生徒会と学校の両立で忙しかったのよ」
「あら、そうだったわね。じゃあこれからは受験で忙しくなるのね」
「そうそう」
「おばさんまた寂しいわ」
「も~、ママったら・・・・」
楽しそうに笑う3人。
いつも、この輪が羨ましかった。
昔から竹下宅には夕飯をお世話になったり、他にもさまざまとお世話になっている。
お世話になっていること自体は感謝をしている。
でも、笑顔で食卓を囲んでいるこの家族が羨ましかった。
私は、一度も笑って食卓を囲んだことがないからだ。
「珠理ちゃん?どうしたの?」
「いえ、どうもしてないです」
優しく微笑んだ。
作り笑い、もうしなくていいんだった・・・・・
もう癖としかいいようがないや・・・・・
「パパ、ママ。紹介するね。こっちが悠斗君、珠理の彼氏だよ」
「どうも・・・・・」
校長先生を目の前にしてか、腰が引けている。