疲れ切った心




「まぁ、珠理ちゃんにも彼氏ができるお年頃になったのね。おばさん嬉しいわ」



昔から娘の様に可愛がってくれたおばさん。


おばさんが喜んでくれると、私も嬉しい。



「それでね、こっちが山本海さん」



自分の彼氏は丁寧に紹介するのね。



「私の彼氏なの」

「な、なに・・・・!?」



照れ臭そうに紹介をする結夢に対して口をパクパクとしている叔父さん。



「はじめまして!山本海と申します」



カチンコチンの状態でお辞儀をする。



あの山本君が“申します”って言葉知ってたのね。



「君、学校は・・・・・?」

「結夢さんと同じ聖南高校に通わせてもらっています」



あの山本君が敬語使ってる・・・・



驚きもんだね。



「そ、そうか・・・・。将来は何に就くつもりなんだね?」


「不束者ではありますが、体育教師を目指しています」



あの学力で、教師?



無理でしょ。



教師の中では体育教師が一番可能性があるけどね。



「う゛・・・・・・・」


「パパ、今の所は許してあげなさいな」


「そうだよ、パパ。海はいい人だよ?」



まぁ人柄に関しては、ねぇ~・・・・



「ほら、皆さんも腰かけて下さい。料理が運ばれてきませんよ?」



おばさんに促され、席についた。
< 478 / 572 >

この作品をシェア

pagetop